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お前の番だ! 248 [お前の番だ! 9 創作]

「総本部があゆみちゃん、ウチが威治と、次代を担う跡継ぎが夫々第一線に並ぶような体勢と云うわけですから、これは常勝流の未来も明るいですぞ」
 興堂範士はまた大笑するのでありました。
「門下生達に動揺がなく、それで上手く纏まるなら、と云う事ではありますが」
「あゆみちゃんと、それを補佐する折野君ならば、大丈夫に決まっていますわい」
 興堂範士は力強く頷きながら受けあうのでありました。「ま、それにしても、若しワシで間にあうようなら、出稽古でも何でも当座はお手伝いしますぞ」
「有難いお言葉を感謝します。何かありましたらよろしくお願いします」
 是路総士は背の傷を庇って目だけのお辞儀を興堂範士に送るのでありました。
「ところでそうなると、あにさんの月に一回のウチでの剣術稽古と、これまで続けてきた折野君の出稽古は、一先ず休止となりますかなあ?」
「そうですね。また落ち着いたら再開、と云う事になりましょう」
 寄敷範士が応えるのでありました。
「あにさんの剣術稽古は仕方がないけれど、折野君の方はその稀なる才能と将来性も考えて、もう少しワシとしても鍛えてみたいと思っていましたから残念ですなあ」
 興堂範士はそう云いながら万太郎の方に視線を投げるのでありました。
「過分なお言葉を有難うございます。また状況が許すようになりましたなら、是非ご教導をいただきに神保町の道場に参上いたします」
 万太郎がそう云って頭を下げるのでありました。
「暫くは折野君が来ないとなると、ウチの門下生共も寂しがるじゃろう。なあ花司馬」
「押忍。拠ない事情とは云え、内弟子の堂下を始め、ウチの専門稽古生達からも折野君は大いに慕われていますから、皆残念に思うでしょう」
 花司馬筆頭教士が如何にも残念そうな表情を作って同調するのでありました。
「ワシの方の総本部での体術出張指導はどうしますかな?」
 興堂範士が是路総士と寄敷範士を交互に見ながら訊くのでありました。
「それは是非続けていただきたいと思っております」
 寄敷範士がすぐに応えるのでありました。
「そうじゃ、そうじゃ」
興堂範士が何か思いついたような表情になるのでありました。「今までは二か月に一度程度の不定期じゃったが、これからは月に一度日時を決めて、定期的に伺おうかのう。その折、総本部の内弟子と準内弟子に限って延長指導をしても良いが、どうじゃろうか?」
「それは有難い。そうすれば総本部と興堂派の交流も薄くはならないし」
 是路総士が先ず頷くのでありました。
「お忙しい道分先生ですから、定期として、不都合はありませんか?」
 寄敷範士が恐縮の表情で伺いを立てるのでありました。
「なあに、何とでもなりますわい。時々威治も連れて来れば、次代の総帥同士、あゆみちゃんと良い関係を作る機会も増えると云うものですわい」
(続)
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