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合気道の組形稽古について 11 [合気道の事など 2 雑文]

 仕手が屈して爪先立った後ろ足で地を蹴るように歩み足に踏み出す時、受けの爪先前に横に踏んでいた前脚は膝の伸展と同時に、股関節が伸展及び内旋運動を自然に引き起こしますが、この股関節の運動が体の推進に対して適切に連動するとかなり強力な体勢の維持効果が発揮されます。これは体のぐらつきを除去して体幹の安定を保障しますので自分に絡んだ受けの体に影響されない、技を支える正しい姿勢の維持に強力に資するものであります。この股関節の運動を動作に連動させるのも重要である事を云い添えておきます。
 受けはこの仕手の第二挙動目の動きによって復元を期してまさに動こうとした刹那、仕手に先んじられて腰が浮揚し体が反らされ、体勢の崩れが復元不可能な状態にまで持ちこまれて仕舞うと云うわけであります。それでも受けは尚もこの決定的に不利な状況からの脱出を画策します。それは仕手の体の密着から離れて体勢を整える事であります。
 受けは反った自分の体の重心が乗っていない左脚は未だ一定の股関節の自由度を失っていませんので、それを仕手から離れる方向、つまり自分の斜め後方に下げようと試みます。しかしこの動作は受けの左股関節が最大伸展する事になり、受けはここで体勢復元の意図に反して、体の運動可動域が限界となって反身になった儘、完全に姿勢の柔軟性を喪失して仕舞う危険を内在させています。また当然その動作を起こす時に軸脚たる右脚一本で、崩れた体を支えなければならない状況を発生させて仕舞う事にもなるのであります。
 この受けの急場の足掻き的な動きを察知したら、仕手はその受けの後方に送り出そうとする左足の動きの起こりに同調して、左前足の膝を前に迫り出しながら受けに下方向の圧力をかけて受けの上体が起き上がるのを阻止します。と同時にこれも膝の迫り出しを利用して重心の浮きなく左前足から継足に前進して、受けの体の上に翳していた腕を受けの体の崩れに従って下に切り下します。段違いに受けの側腹部辺に添えていた右腕も左腕の動きに同調させます。体の前下方への推進と両腕の切り下しに依って受けを前方に崩し投げるのであります。これがこの技の最終動作たる第三挙動目、投げの完了動作であります。
 この投げる時に仕手は前脚の膝を固めないで柔らかく屈曲して、また両腕が受けの体を過度に押さえつけないようにして自分の体が上方に浮かないように留意します。硬い構造の体から繰り出された投げよりも、柔らかい撓りのある体から発動された投げの方が威力は高いので、仕手は体の強張りを極力排して腕力任せの投げにならないように自制します。また、投げ捨てた後に受けの動きを注視し、掌を上に両腕を前に出した残心をとります。
 受けも矢張り体の力みを排して柔らかい受け身を心がけます。投げ技の場合は特に体に強張りがあると受け身を失敗する危険性があります。股関節最大伸展位でその儘股関節を固めて投げを受けると体は地に叩きつけられますので、仕手の前下方に投げる動きに乗って左脚を斜め後方に下げたらすぐに腰を落とすようにして股関節の緊張を緩め、斜め後方に接地した足のすぐ近くに腰を落とし、体を丸くして転がるように後方受け身を取ります。
 ただ受け身を取った後、後ろへ転がった軌跡をまたその通りに辿って前に転がり戻ると、残心を取っている仕手の手中に再び入る事になりますので、仕手から離れる位置に素早く起き上がって仕手の次の動きに備えます。また、後方受け身を取っている最中も仕手を必ず視界に捉え続け、仕手に対して常時背中を向けないような身ごなしを心がけます。
(続)
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