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合気道の組形稽古について 8 [合気道の事など 2 雑文]

 離れ際も仕手は受けの若しもの反撃に留意して、極めた受けの腕をその俯せた背面に肘肩の緩みがないように折りたたんだ後に、受けの頭頂部方に体を回し開いてから極めた受けの腕を解放し、半座に構えて受けのその後の動きに注意を向けます。受けは素早く仕手より離れるように身を引きながら上体を起こして、同じく半座に構えて双方の間合い二歩の距離を取って仕手と対峙し、両者の気を合わせてから隙のないように立ち上がります。

 では次に「片手持ち二ヶ条抑え(二)」或いは「片手取り二教(裏)」と云う技について、仕手と受けの繋がりを見ていきたいと思います。ここでも判り易いように「(一)」或いは「(裏)」同様、仕手の左逆半身から受けが仕手の左手を右手で持った場合を例とします。
 組形の端緒は「片手持ち二ヶ条抑え(一)」或いは「片手取り二教(表)」と同じでありますが、今度は「(二)」或いは「(裏)」でありますから、受けが仕手の逆側の手首を持った後に押す圧力を仕手に加えるのであります。肘を緩やかに刀の反りを表現した腕の形状をその儘変えずに、仕手の手首を保持したら、自分の腕をその状態で固定し、肘肩の力のみではなく姿勢を崩さずに腰を入れて、前脚の膝をやや前方に迫り出すような要領で前方への圧力を仕手に伝えます。つまり受けは体全体で仕手を押すような要領であります。押す、と云うよりは体の前進する力を仕手に伝えると云った表現が適切でありましょうか。
 受けは「片手持ち二ヶ条抑え(一)」或いは「片手取り二教(表)」の場合のように、腕のみの動きを使って引くと云う動作を敢行するのと違い、押す場合には、体全体の前への推進力を使って、押す、と云う力を生じさせるのであります。受けが肘を突っ張って腕を伸ばすような押し方をすると、その腰は反動で往々にして引き腰となり、その押力は弱く硬く、押すと云う受けの力に対する組形の稽古に足る押しとはとならないからであります。
 弱く硬い力は仕手を押し続ける事が出来ずに、往々にして組形の端緒と云う大事な局面で仕手の動きを察知した瞬間、反射的に引く力に変容する場合があります。それでは受けの押す力に対する組形の稽古ではなく、押し引きの鬩ぎあいとなって仕舞い、形の崩しとか変化とか駆け引きとか云った趣旨の攻防術の稽古をしている事になるわけであります。
 さて、この受けの体全体の力を乗せた押しに対して、仕手は先ず持たれた手首を穏やかにやや下方に落して受けの水平前方に押そうとする圧力の方向を変えます。直線状に繋がった力の線が結節点で折れるようなイメージであります。
 力の飽和が緩んだら、即座に仕手は持たれている側の手刀を曲線の軌跡を取って受けの体から離れる横方向に丸く滑らかに動かし、同時に前足から同方向に適度な大きさに動いて体を横滑りに開く位置に移動させます。下に逸れた受けの圧力を横に流して受けの前に推進してくる体自体に崩しをかけるのであります。受けとしては正面に進もうとしている力が下及び横方向に逸らされるので、腰が前に引き出されるように崩されるのであります。
 受けは前方水平方向に押している力を途中で応変させずに、また仕手の体の横方向への変化に対して、同じように横方向に前足を動かして仕手の動きに連れるような動作をせずに、寧ろ前足をやや前に摺り出すように動かして仕手の崩しに体ごと同調する事を心がけます。そうする事で仕手の崩しが受けの体全体を崩している状態を表出するのであります。
(続)
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