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合気道の組形稽古について 4 [合気道の事など 2 雑文]

 当然、組形として行うのでこう云う一見すれば受けの「先」が現出するのでありますが、そこには受けの動作の起こりを捉えて受けが正面を打たざるを得ないような誘導を仕手が先んじてかけるとか、一瞬早く当身を発動するとかの、武道としての「後の先」の理が埋伏されているのであります。しかしここでは組形稽古と云う限定で論を進めるので、そう云う「後の先」「先の先」と云った初動の駆け引きの機微は一先ず置く事とします。
 仕手は受けの正面打ちを充分な予測と備えを完備した余裕のある状態で受け止めた後、受けの前に出てくる力を途切れさせる間をあける事なく、正面を打ってきた腕の肘肩を上方に丸くつめるように返しながら受けの後方側面に回転して入身します。受けに正面を打たせるのが第一挙動目、仕手が回転してその打撃を無効化するのが第二挙動目であります。
 正面から回避されて後方側面に回りこまれた受けは、前にのめりながらももう一度仕手の正面を捉えようとして仕手の回転を追うように、同回転にすかさず歩み足で自らも回りこもうとします。受けとしては死角に回りこまれた自分の不利を立て直そうとするのが急務であり、もう一度自分が先を取った一挙動目の状態を復元しようとするわけであります。
 この受けの復元動作に乗じながら受けの回りこもうとする方向と勢いに同調するように、仕手は重心移動動作により受けの体勢をより前にのめるように誘導しながら大きく崩します。同時に移動する重心を次第に低くしていき、受けの起き上がりが困難な回転形態を現出させて、恰も螺旋状に次第に低く、上から見れば二つ巴を描くように仕手と受けが同側回転をしながら、結果として仕手が受けを俯せに前のめりに倒れこませるように制するのであります。この時仕手は受けの肘肩をつめた状態を保持し、受けの肩の自由な動きを終始封じておかなければなりません。これが第三挙動目の制圧終了動作と云う事になります。
 後は「(一)」或いは「(表)」の場合と同様に、仕手は姿勢の崩れがないように自らの立てている膝を地に着け、一本取りにした受けの腕も地に下ろして、受けの腕を引き延ばすようにしながら肘関節を極めれば「正面打ち一ヶ条抑え(二)」或いは「正面打ち一教(裏)」と云う組形の重要部面が完了します。この後の技の完結動作も離れ際も同様であります。
 受けの方に、仕手に回りこまれたら自分もすかさず同回転に回りこみながら一挙動目の自分の体勢と仕手との関係を復元しようとするとする意識が、技の初動から完了まで一貫して保たれていなければこの組形を稽古する意義はないのであります。その受けの復元動作に同調するのが仕手の稽古であり、受けの回りこみに遅れればつめている筈の受けの肘肩が緩み、それこそ第一挙動目への復元を許して仕舞う結果となり、受けの回りこみの動作より早く動いて仕舞えば受けの前にのめる体勢に乗じる事が出来ず、誘導が利かなくなり受けの自律的な動きを許す結果となるのであります。この動作中の微妙な互いの関係性を稽古するためには、繰り返しますが受けの理合いへの理解が絶対不可欠なのであります。
 日常の稽古に於いてよく目にするのでありますが、二挙動目以降に受けがそのような復元行動を全くとらずに仕手にされるが儘に、単なる怠惰な「やられ役」に徹して仕舞っている場合とか、また技の反復に狎れて関係性の緊張感を全く喪失して、仕手と受けとの機微を無視した自分勝手な「ぶつかり」稽古にしかなっていないものがあります。こう云う光景を目にすると、これは如何にも稽古として勿体ない限りであると思うのであります。
(続)
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