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合気道の組形稽古について 3 [合気道の事など 2 雑文]

 受けは組形の約束稽古の中に於いては、仕手の「呼応性」を引き出す端緒の役割を担っているのであります。見方を変えるなら、受けが仕手の「正面打ち一ヶ条抑え(一)」或いは「正面打ち一教(表)」の技を誘導しているのであります。
 ところで、片腕を一本取りに制せられて蹲った受けはそれでも仕手の制圧から脱するために、仕手から離れる方向に逃れようと試みます。つまり制せられた腕を引いて脱する方向であります。しかし肘肩がつまった状態で制せられているので腕を縮めるように動かす事が出来ないため、体ごとそちらの方向に動こうとします。仕手の側から云えば強い正中線上から横方向に外れる、体勢が開いて不安定になって仕舞うような方向であります。
 受けのこの動きの起こりを察知したら仕手はその方向に逆らわないで、腰を切りながら角度を変更して歩み足に一歩大きく前進し、受けの腕を介してその斜め前下方の肩の方向に受けを押しこみます。結局受けは逃れようとした方向により低い体勢に崩され、より強く肘肩の制圧を受ける事となります。これが第三挙動目の仕手と受けの関係であります。
 ここでも受けは仕手の「呼応性」に依拠した動きを誘発すると云う意味に於いて、自分の動こうとする方向とその動きの端緒を確実に仕手に伝えなくてはなりません。繰り返しになるようですが、それがあってこその仕手の「呼応性」を錬る稽古なのであります。
 ここまでくれば仕手は前脚の膝の柔軟な前方送り出しを利かせて、歩み足にもう一歩大きく前進してより低く、受けが前のめりに俯すところまで移動して制圧します。同時に受けの腕を一本取りにした儘、後ろ足を強く引きつけて片膝をついた安定した姿勢を取ります。肘肩を制せられ低く制圧を受けている受けは、その仕手の前進に対して抗しきれずに地に伏して仕舞うのであります。これが四挙動目の制圧終了動作であります。
 後は、仕手は姿勢の崩れがないように自らの立てている膝を地に着け、一本取りにした受けの腕も地に下ろして、受けの腕を引き延ばすようにしながら肘関節を極めれば、「正面打ち一ヶ条抑え(一)」或いは「正面打ち一教(表)」と云う組形の技の重要部分が完了します。この後に極めた肘を解放して受けから離れる時には、仕手は受けの腕の延びている延長方向に体を開いて若しもの受けの反撃に備える充分な距離を取って、残心しながら体勢を起こします。まあこれを組形の五挙動目=完結動作と云う事が出来るでありましょう。
 四挙動目と五挙動目では受けは無理な離脱行動を取らずに仕手の制圧に従いますが、仕手の動作に緩みがあれば何時でも反撃可能であることを仕手に意識させるために、気持ちを抜かずに仕手に注意を向け続けます。肘の制圧が解かれたら素早く上体を起こして仕手に対峙し、その儘「気」が繋がった状態で双方の適度な間合いを保って立ち上がります。

 では次に「正面打ち一ヶ条抑え(二)」或いは「正面打ち一教(裏)」と呼称される技の組形の場合には、仕手と受けの間にどのような関係性が生じているのか、その関係性に忠実な組形とはどの様な委細と機微を備えているのかを述べてみたいと思います。
 この「(二)」或いは「(裏)」と云う技は受けの方が先を取って攻撃してくると云う切っかけを持った形であります。この受けの先制を仕手は先ず受け止めるのでありますが、勿論、充分な予測と備えを完備した余裕のある状態での受け止めであります。
(続)
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