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合気道と筋力Ⅱ [合気道の事など 1 雑文]

 ですからまず「合気道は」ではなく「合気道も」と前の紹介文を云い換えるべきであります。それに老若男女誰にでも「出来る」のではなく、誰にでも「始められる」武道であるとも云い換えるべきでありましょう。合気道の修錬においては、体を鍛えることなど放擲しても構わないと云うあらぬ誤解が生じないためにも。
 人間の潜在能力を表す言葉として「火事場の糞力」と云うものがあります。普段は体の破壊を引き起こさないために、持っている筋力の総てを発揮しないような抑制がはたらいているのですが、一旦バイタルな危機に遭遇するとその脳の抑制が外れて、本来持っている筋力が発揮されると云うのであります。これは合気道の集中力の大きさを表現する場合にしばし用いられます。しかしそう云う一生に一度あるかないかの非常時に発揮されるところの筋力を頼みに、普段の筋力トレーニングを怠けていいはずがありません。第一「火事場の糞力」がそう簡単に発揮できるなら、火事で死傷する人など殆ど居ないでありましょうに。平常の、冷静な判断力の及ぶ範囲の中で発揮出来るところの筋力を地道に養成する方が、余程正当な鍛錬と云えます。また地道な鍛錬に倦んで「潜在能力開発」的な稽古に走ることも、或る意味で鍛錬の遠回りにしかならないようであります。それによって獲得したその潜在能力なるものが、時間の経過を経た客観的評価として、通常の鍛錬を地道に行ってきた人の数倍見事な運動性を発揮し続けていると云うことを、拙生は寡聞にして未だ知らないのであります。
 ここで断わっておくのでありますが、筋力トレーニング(パワー・トレーニングと云うべきか)を含む合気道の様々な鍛錬の効率を上げることに異を唱えているのではありません。また地道な鍛錬の中で閃く鍛錬効率を上げるための発想にまで否定的な見解を述べているのでもありません。この辺りは念のため申し述べておきます。ただ合気道愛好家も筋力トレーニングを含む地道な鍛錬が必要であると述べたいだけであります。
 さて、では合気道に必要な筋力、合気道の技を支える筋力とはどのようなものか、またその鍛え方等大雑把ではありますが具体的に述べてみたいと思います。せっかくですから稽古の流れに沿ってそれを記述していきます。
 まず「構え」であります。これは強固な中心線を必要とします。しかも力みがなく安定していて或る種威圧感があり姿勢が美しくなければなりません。必要とするのは抗重力筋、体幹のインナーマッスルの筋力であります。頸半棘筋、脊柱起立筋、大臀筋、大腿部後面のハムストリングス筋群それに下腿三頭筋と、頸半棘筋を除いて全て体の後面にある強い筋肉であります。これに下腿前外側面の前脛骨筋、それから腹直筋と大腿四頭筋が加わります。つまり脊柱の安定と骨盤の前傾、上後腸骨棘間の締り(これは意識のレベル)、前重心のため膝がやや緩んだ前足と膝を張った後ろ足のバランス、足関節の安定に寄与する筋肉であります。殆どがアウターの筋群であります。また体の揺れを防止するためには体幹の深部にある大腰筋・小腰筋・腸骨筋(合わせて腸腰筋)、腰方形筋と云うインナーマッスルを主に使います。アウターの筋肉は強い力を出せるものでこれは構えにおいては表層的な力みをなくして、どちらかと云うと芯を強く保つように使います。つまり芯を強化するような筋力トレーニングが必要なのであります。
(続)
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