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合気道の組形稽古について 12 [合気道の事など 2 雑文]

 組形稽古に於ける受けの役割は仕手の崩しに対して如何に上手くその崩しに嵌るかと云う一点であります。受けが上手に仕手の意図に嵌らなければ仕手は変化を余儀なくされて、組形稽古の狙いである典型の反復により同調性を錬ると云う稽古にはならないのであります。特に投げ技の場合はどのようにして同調しながら動いて受けを最大崩しの姿位にまで持ちこめば、その後に続く投げが容易であるかと云う体感を得るための経験の積み重ねが重要なのであります。最大崩しの姿位まで持ちこめずに投げを敢行すると、結局徒に力に頼ってみたり自分の姿勢が合理でなくなったりと云った不完全性をその儘温存する事になり、合気道の根幹である「呼応性」を錬るための同調的な動きの習得を妨げて仕舞います。

 では次に「片手持ち側面入り身投げ(二)」或いは「片手取り呼吸投げ(裏)」と云う技の場合を考えてみましょう。この技は先に述べた「片手持ち側面入り身投げ(一)」或いは「片手取り呼吸投げ(表)」の接触時の受けの仕かけが押す場合であります。ここでも判り易いように仕手の左逆半身から受けが右手で仕手の左手を持って押すと云う仮定にします。
 この場合も「片手持ち二ヶ条抑え(二)」或いは「片手取り二教(裏)」の時のように、受けは体全体の前への推進力を腕を介して仕手に伝えるような押し方を心がけます。この時仕手もやや押し返し気味にして受けの押す圧力を充分に引き出しておきます。これは接触点の密着を強固にして仕手の肩と腕の動きを緩みなく受けに作用させるためで、受けの腕と仕手の腕が一本に繋がっているような状態を現出させるためであります。
 仕手は受けの押す力を利用して左前足を軸に右回りに回転して受けの正面から体を回避させます。この時持たれた手が離脱しないように接触点に力みを加えないで、肩を軽度伸展(肩の力を抜くようにして腕をその重みの儘下方に落とす運き)して、同時に前腕の回外する動き(掌が上に丸く返るような動き)を使って前に押す受けの圧力を回転動作に吸収するのであります。仕手の手首を握る受けの五指に無用な攻めを加えずに、寧ろ受けの掌の中心への密着を切らないようにしますが、これは持つために力を入れている指に対抗力を感じると、受けはその指へのプレッシャーを嫌って手を放して仕舞うからであります。
 受けは仕手の手首を持って前に押す力が逸らされるので右前足が前方に踏み出て仕舞います。密着している仕手の手首から自分の手が離脱していないので仕手の体の回転と前腕の回外運動に依り、肩の内転外旋と肘の屈曲運動を引き起こされて体勢を右に傾けながら前に踏み出す事になるのであります。受けはその仕手のつくりに抗わずに仕手の動きに乗って腰から浮き出るように一歩前に出ます。これがこの技の組形の第一挙動目であります。
 窮屈な形状を強いられた肘肩の作用のため不安定に右に上体を傾斜させながら前に踏み出た受けは、この頽勢をめぐらすために踏み出した右足を軸に矢張り右回りに後ろ足を追い継いで、仕手の後を追うように同側回転して体勢を立て直そうとします。最初の接触時に「先」として片手を取って仕手の正面に対峙した元の状況に復そうとするのであります。
 この技の場合特にこの受けの状況回復動作が重要であります。腰が浮き前に一歩誘い出され肘肩がつまって右傾斜して崩れた姿位の儘向き直ろうともせず、次の仕手の動きをじっと待っているようでは、仕手と受けの同調を稽古している事にはならないのであります。
(続)
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